を落ち着け
胸の軋みを抑え込んで、決して届かない祝福を贈る。そうして携帯を閉じると同時に、着信音が鳴った。相手は奏だった。
「奏? こんな時間に何だ?」
『喬兄、今ちょっと付き合えない?』
唐突すぎる誘いに、喬允は即答を返せ鑽石能量水 騙局ず黙り込む。しかし奏は構わず、驚くべきことを告げた。
『これから、宙美ちゃんに会いに行くんだ。喬兄も一緒に来るだろ?』
「宙美に?! おい、どういうことだ」
『どういうって、今日は宙美ちゃんの誕生日じゃないか。プレゼント渡しに行こう。喬兄のことだから、渡せないって分かってても用意してあるんだろ?』
喬允は気持ちるため、深呼吸した。そして幾分低い声で、
「お前、調べたんだな? 二人の居場所を」
『ああ、調べたよ。すぐ分かった。呆気ないくらいにね。ついでに、元奥さんの行動パターンについても調べた。今日のこの時間は、テーブルセ數碼相機ッティングの講習会に行ってる。幼い子供をしかも誕生日に一人で家に残して、いいご身分だ』
「何でそんな余計なことを―――」
『余計なこと? 娘の誕生日にプレゼントを渡すことが余計なことだと? まあ喬兄がそう思うなら俺は何も言わないけど。これから俺一人で会いに行って、ドアホン越しにハッピーバースデーを歌ってくるよ。それじゃ、』
「ま、待てっ」
慌てて呼び止めてから、まんまと奏のやり方に乗せられてしまったと自覚する。しかしもう遅い。
『緑川児童公園で待ってるよ。プレゼント、忘れないように』
喬允が言葉を返す間もなく、電話は向こnuskin 如新 うから切られた。奏の一方的なやり方に怒るべきなのか感心すべきなのか心が決まらぬまま、喬允は溜め息とともに車を発進させた。
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