と笑いを漏ら



 視線を上に向ける。
 猟犬は跳躍の最高点に達そうとしていた。
 なるほど。分体と本体の同鑽石能量水 消委會時攻撃のつもりだったのか。
 狙いは悪くない。だが、タイミングがずれている。
 これでは時間差攻撃になってるぞ。
 もっとも完全な同時攻撃だったら、さっきの防壁で本体も四散していただろう。
 そういう意味では運がいいのか。

 違うな。
 運が悪いんだ。

 指先を小さく弾いて、空間に断層を作り猟犬に放つ。二回。狙いは両腕。
 猟犬の腕が、肩か學生交流ら千切れた。
 ご自慢の武器もこの程度だ。
 分体の事もある。消し去っておくか。
 ぱちんと指を鳴らす。
 両腕付近の重力をコントロールして、一瞬で磨り潰した。

 これでよし。

 空間座標を書き換え、猟犬のすぐ近くに転移する。
 猟犬の口元から牙が覗いていた。

 勝ったつもりでいるんだろうな。

 猟犬程度ではこの動きにはついて来れない。
「ほんと、気の毒ね」
 呟きながら、無傷の左手を猟犬の頭に伸ばす。



 空中。足場のない空間にリンの身体が浮いている。
 左手はしっかりと猟犬の頭を掴んでいた。
 整った唇が小さ鑽石能量水 消委會く開いて、くすくすす。
 手の下で幾つもの目が忙しなく動いているのを感じる。
 動転している。焦っている。恐怖している。
 それが楽しかった。
 だから、もう少しからかってやろうと思った。
 耳元にそっと顔を近づけて、柔らかな声で告げる。
「ちょっと予定変更するわ。ごめんね」
 微かに力を込める。
 猟犬が苦痛に呻き、身体をよじった。
 だが、その程度は抵抗にすらならない。
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